山野に生える落葉低木。ニシキギは紅葉がとにかく綺麗だ。真っ赤に色づく姿や、幹や枝に翼(ヨク)が出る姿が珍しく、人気があって、どんどん盗られた。以前はどこでもふつうに見られたが、宅地開発や盗掘によって自生数をかなり減らしている。
近年は品種改良を行ったものが市場に出回るようになってきた。紅葉が綺麗なものの中から深紅に紅葉する品種をいくつか選抜し、品種改良が行われた。色鮮やかに紅葉するものが人気だ。それらのニシキギは個人宅のほか、公園や庭園などでも植えられている。また、刈込に強いので生垣としても利用されている。
ニシキギには株によって多少の変化があり、葉の大きなものから小さなものまで、産地により微妙に違いがある。一般的に若木の方が葉や翼が大きい。翼は古木になるほど細かくなる傾向にある。
ニシキギは実生や挿し木で簡単に増やせる。習志野キャンパスのニシキギは挿し木をしてから30年経つ。古木の枝を刺し穂としたせいか、成長が悪い。樹齢30年なら直径は18-20cmくらいになっても良さそうだが、現在は直径4㎝ほどで木に勢いがない。親木の寿命が近いのかもしれない。
私の知る限り、ニシキギは樹齢50年位で枯れる傾向にあるが、ごく稀にお寺や神社などで樹齢100年を超えていそうな、かなりの老木を見かけることもある。
(ニシキギ/ニシキギ科 2022年3月.記)