

果樹として栽培される落葉高木。ネクタリンはモモの変種とされる。モモに比べ皮の表面がつるつるしていて全く毛が無い。別名をツバキモモやズバイモモ、アブラモモ、ヒカリモモなどと呼ばれている。果皮の色は品種により赤・黄のまだら色、黄色、淡黄色など様々。果肉も品種により赤桃色から白色まである。モモに比べ少し硬く、甘みと酸味がありとても美味しいので私は好きだ。モモよりも食べやすいと思う。
我が家の庭には、親父が私たち子供に食べさせるためにと植えた植物がたくさんあった。千葉県で育つ果物は殆どが植えられおり、ネクタリンは私が物心ついたころには既に大きな樹になっていた。葉張り4~5m、高さは3mほどあり、私は実が成ると毎年のように樹に登り、時には友達と一緒に食べていた。
小学生の頃、我が家のネクタリンは花後の摘果をしなかったので成りっぱなしのために実が小ぶりであった。ネクタリンというより“気の利いたスモモ”のようであったが、味は文句なく美味しい立派なネクタリンであった。その頃は毎年バケツ3杯分くらい収穫が出来た。中学生になり少し知恵がついた私はネクタリンの摘果を行い、それまでの4倍の大きさの実に育て美味しく頂いていた。だが我が家のネクタリンには農薬を使っていなかったのでカミキリムシにやられ、私が高校生の頃には枯れてしまった。
ネクタリンが枯れる2年ぐらい前から、幹や枝からやたらと樹液が出てゼリーのようにプルンと固まっていた。カブトムシやカナブンたちが来て食べているので美味しそうに見えて私も食べてみた。ほんのり甘いが渋く美味しいものではなかった。カブトムシは「お前こんなの旨いのか」と声をかけた私をチラッと見て、ピューと水便をして樹液にむさぼりついていた。
(ネクタリン/バラ科 2023年12月.記)