北米原産の多年草。草丈2mくらいに成長する。ハイビスカスに似た形の赤い花を咲かせる。葉にモミジの葉のような切れ込みがあることから“モミジアオイ”の名がついたと聞く。地上茎は木のように硬く成長し、茎はほぼ直立する。秋に地上部が枯れると茎が残り、硬くもろい杖のようになる。
モミジアオイは私が物心ついた時にはすでに我が家の庭にあった植物だ。一日花なので午後には花がしぼみ、落ちる。それを拾いバケツに入れておくと、なぜかドウガネブイブイが集まってくるので、私はそれを楽しみにしていた。夏の終わりになると小さな黒いタネができる。私はそれを手製のパチンコの玉にして飛ばして近所の空き地で遊んでいた。翌年にはその空き地のあちこちでモミジアオイが咲いた。それを見た近所のおじさんたちが掘って持ち帰り、庭に植え楽しんでいたことを思い出す。
30年ほど前からモミジアオイの白花が市場に出回ってきて、今では赤色と白色で併せて売られているのを多く見かけるようになった。ただ、タイタンビカスの出現が影響しているのか、店頭で見かける数は一時期よりも少なくなった気がする。おそらく、派手で目立つタイタンビカスの方が人気がありよく売れるのだろう。
(モミジアオイ/アオイ科 2023年12月.記)