山野に生える多年草。香りが良く、昔から野菜として扱われている。
野に生えているミツバは香りが強く、全体的に少し硬めだ。30年ほど前、よく山に出かけていた私は、野生のミツバを採って調理し、おひたしやラーメンの具として食べた。生卵があった時はミツバの卵とじを作り、贅沢な山の昼食となった。
現在、野菜として売られているミツバは柔らかくなるように、半ばもやし状に密植して作るため香りが薄くなる。根付きのまま売られているので、地上部を刈り取って食べる。残した根を水栽培で育てれば1~2回収穫ができる。その後、残りの根はきんぴらとして美味しく食べられる。また、根を植えることにより成長して花が咲く。タネができるのでその後の収穫も楽しみだ。
20年ほど前から、地上部全体が黒い‘カラス葉’のミツバが出回ってきた。主に観賞用とされるが、普通のミツバと同様に食べることができる。火を通すと黒色の葉は緑色に変わる。現在は更に品種改良され、家庭菜園でも簡単に作れる栽培用のミツバが数品種出回っている。
ミツバは実生で沢山増やせる。だが、開花時にアブラムシが付きやすい。また、昆虫が媒介するウイルス病にかかると全体的に委縮し、葉が縮れる。最終的には溶けるように無くなってしまうことがあるので、気を付ける必要がある。
(ミツバ/セリ科 2022年3月.記)