
海岸線に多く生える常緑高木。大きいもので高さ6~7mほどに成長する。密集して生えているのを多く見かける。公害に強いため街路樹や公園、工場緑化などの目的でよく植栽される。秋になると親子でバケツにいっぱいのドングリを拾う様子をよくみかける。大きいドングリなので拾い始めるとすぐに満杯になる。一度、何に使うのか聞いてみた。ヤジロベエや独楽を作るということだった。
マテバシイの実は渋味が無く、生でも食べることができるドングリだ。私は高校生の頃にマテバシイのドングリを原料にクッキーを作った。美味しく食べることができた。材は炭の材料にもなる。知人がマテバシイの材を使って炭を作っていた。話によるとマテバシイからは結構良質な炭ができるらしい。他にも何種類か木の名前を言っていたがこのマテバシイがなぜか印象深く、よく覚えていた。
キャンパスのグラウンド周囲には以前たくさんのマテバシイが植えられていた。だが、グラウンドを整備する際に一本残らず切られてしまった。残念である。房州に行くとマテバシイが今も風避けとして垣根に植えられているのを見ることがある。ごく稀に斑入り種もあったが、今では目にすることが無くなってしまった。斑入りのマテバシイは絶えてしまったのだろうか。またどこかで会えると嬉しい。
(マテバシイ/ブナ科 2022年10月.記)