山地に生える落葉性つる植物。雌雄異株だが、両性花の株もある。薬用として栽培される。ネコの好物としても知られている。
マタタビは初夏に蔓先の葉が数枚白くなる。なので、遠目にもマタタビが生えているのがわかる。真夏には実がなる。すると、そこにマタタビミタマバエが虫瘤を作ることがある。この虫瘤には滋養・強壮作用があると言われており、道の駅などでマタタビの実の焼酎漬けが売られているのを見かける。虫瘤の無い実はジャムなどに加工される。私はマタタビの実を食べてみた。味はキウイに似ている。形もよく似ており、まるで毛のない小形のキウイのようである。この実をネコにあげたら喜んで食べてくれた。
薬草園のマタタビは、たまにネコに根をかじられる。枯れてしまうので、薬草園では、すぐに新しいものを植えられるように絶えず苗を作り、育てている。マタタビは挿し木で簡単に付き、他の植物に比べて成長が早く、すぐに大きくなる。剪定で切り落とした枝を乾かして置いておくと、ネコが寄ってくる。楽しそうにゴロゴロ寝転んで、マタタビに酔いしれているようだった。
我が家では4本のマタタビを育てていた。その中には斑入り種もあった。近年、山野草展でも斑入り種を見かけるようになった。ところで、我が家の4本のマタタビは、50年目頃から急に気勢が悪くなり、すべて同じ頃に枯れてしまった。マタタビの寿命だったのだろうか。
(マタタビ/マタタビ科 2022年3月.記)