山野に生える多年草。春のやや湿った林の中に多く生える。茎にマムシに似た模様があり、そこからマムシグサの名が付く。近年では宅地開発やウラシマソウを初めとしたテンナンショウ属ブームによる盗掘で数を減らした。
個体差が大きい
マムシグサの花色は濃紫黒色から緑色まで様々。葉は無地や斑模様、まれに斑入りなど何タイプかあり、葉幅にもかなりの個体差がある。また、産地により大きさや花形に微妙な違いがある。個体差が大きい植物だ。現在は斑入りブームで、マムシグサの斑入りを山野草展でたまに見かける。
性転換をする
25年ほど前のこと。私はタネからマムシグサを育てたことがある。タネを播いてから2~4年で初めて花が咲いた。全て雄花だった。それから4,5年経った頃、球根に十分栄養を蓄え充実した株から開花したマムシグサの花は全て雌花に性転換していた。面白い性質を持つ植物だ。
栽培
マムシグサは実生で増やす。開花までは早くて4年、普通は6年かかる。栽培は簡単だが、分球しづらい。私の経験では、開花株で5年作っても毎年の発芽数がほとんど変わらない株もある。
実生で増やす面白さは、色々なタイプの個体ができることだ。以前、青軸で真っ白な花が咲いてくれたことがある。その株を品種固定できるかと思ったが、葉緑素が無く、葉まで白くなり絶えてしまった。咲いたときに写真を撮っておけばよかったと、ちょっと後悔している。
(マムシグサ/サトイモ科 2022年3月.記)