薬用の他、食用や観賞用として栽培される常緑低木。レモンは寒さに弱いため、40年ほど前の習志野キャンパスでは地植え栽培ができなかった。だが30年前頃からは、品種によるが、地植えで栽培し越冬できている。温暖化の影響だろうか。今は品種を問わず地植えでの越冬ができるようになってきた。とはいえ、レモンはナツミカンやユズなど、他の柑橘類よりも寒さに弱いように思う。
レモンと言えば輸入品がほとんどだ。生産国での収穫は未熟収穫のせいで酸っぱく、そして青実収穫のため黄色く色づけをして売られていた。最近の国産レモンブームで完熟レモンが出回るようになり、まろやかな酸味のあるレモンを店頭で買えるようになった。薬草園でもレモンが実った。リスボンレモン、またはサイパンレモンだと思う。枝で完熟させたものをいくつか食べてみたところ、ナツミカンと変わらないぐらいの酸味だった。なかには、ほんのり甘みを感じる実もあった。7月頃には、薬草園のレモンの若葉を生のまま、お茶にして飲むこともできる。これが結構美味しく飲める。
レモンの仲間は枝が混むことがあまりないため、剪定はあまり行わない。どうしても剪定する場合には、樹の中まで日が当たるようなイメージで全体的に日が当たるように、枝を抜く感じで行う。
(レモン/ミカン科 2022年3月.記)