山野に生える落葉小高木。薬用の他、香油を採るために利用される。樹にクスノキ科独特の爽やかな香りが有り、高級楊枝の原料となる。春に黄緑色の小さな球状の花を咲かせ山道を彩る。私がよく行く筑波山にはクロモジが多く自生している。山道沿いに特に多いように思う。
クロモジのいろいろな部分を食べてみた
私はクロモジの葉を食べてみたことがある。味はイマイチだった。夏に沢山付く緑色の球果は渋く、美味しくはなかった。秋には熟して黒くなくなった球果も食べてみたが、やはり美味しくはなかった。私は山へ行くと、山道のほうへ伸びている枝から小枝を折り咥え、噛んで味を楽しんでいる。小枝にはほんのりと甘味がありスーッとして何となく美味しい。
ハーブブームで人気に
クロモジは近年のハーブブームで、主にお茶として利用するために栽培されるようになってきた。知人が畑で栽培しているクロモジの小枝と葉を、試しに無人販売所で売ってみたところ、結構人気が有り、注文が来るようになったという話を聞いた。ただ置いておくだけで人気になるとは考えにくいので、やはりクロモジのブームの火付け役となる人がいたのだと思う。現在では東北や信州など、多くの地域で栽培されている。筑波山でも、ここ2~3年で地元の人がヒサカキと共にクロモジを採って軽トラックで運んでいるのを何回も見かけた。
(クロモジ/クスノキ科 2022年2月.記)