古くから山里で食用として栽培されてきたサトイモ科の多年草。テンナンショウ属の中で唯一、食用として栽培される。有名な産地は群馬県だ。夏に赤城山麓へ行くと、見渡す限り一面の、青々として見事なコンニャク畑を見ることができる。
コンニャクは芋の年代により草丈が違う。2年ものでは葉張りが25cm、3年物では80cm位になる。食用に栽培する芋は4年で収穫するので、畑で花を見ることはまず無い。
私は花を見たいので、薬草園で育てている。5年目で大きく立派な花が咲いた。背丈が1.3mほどの立派な花だ。コンニャクの花が咲くとコバエやハナバエが沢山寄ってくる。よく見るとニクバエらしき個体も寄ってきていて賑やかだった。花は5日間ほど咲いているが、綺麗な状態を見られるのは2日間ほどである。その後は苞が倒れて、中から実の付いた花芯が立つ。秋に赤く熟す様子は綺麗だ。
食用として栽培されてきたコンニャクだが、私の知るところでは、20年くらい前に斑入り種が山野草展に出回り始めた。初期は小苗でも7,000円~15,000円もの高値で取引されていた。黄斑と白斑があり、どちらも丈夫で作りやすい。だが、白斑の方は‘幽霊’になりやすく、枯れることもある。その後は、2年物が展示されているのを多く見かけるようになった。今では数も増え、小球が1,000円ぐらいで手に入るようになった。
観賞するコンニャクも良いが、芋から作る、しかも「手作りこんにゃく」は、やはりとても美味しく、一味違う。硬めで、コンニャクの風味が良く感じられる。
(コンニャク/サトイモ科 2022年3月.記)