

南ヨーロッパ、北アフリカ原産の植物。花期は夏。原産地では多年草だが夏の暑さに弱いため国内では1年草として扱われている。品種改良により20年ほど前からは日本の夏の暑さにも耐える新しい品種が市場に出回ってきた。温室栽培も盛んで、花の少ない寒い時期には鉢植えや花壇の植栽が景色を彩る。
キンギョソウはまるで金魚のリュウキンが水の中を泳ぐような花形が何とも言えない人気の植物だ。花色は豊富で白色からピンク色、赤色、黄色、複色など変化に富む。形態もまた変化に富み、高さ15cmほどの小形のものから1mを越える大形のものまである。カラス葉や斑入り葉などもあり本当に様々だ。用途によって苗、鉢植え、切り花など様々なかたちで販売されている。購入するにも数百円程度とお手ごろだ。
私は以前からよく旧千倉町(現在は南房総市)にキンギョソウを見に行っていた。見ごろは12月から3月頃。ひょんなことから千倉の花畑で知り合った人と交流するようになった。かれこれ50年近くなるだろうか。その人は千倉の花情報や海の状態など様々なことを教えてくれる人だった。私からは植物について知っていることを教えたりしていた。千倉の春のお花畑はキンギョソウをはじめ、ポピーやキンセンカ、ストックなどが満開でとても見応えがある。これからも毎年欠かさず行きたいと思っている。
(キンギョソウ/オオバコ科 2023年12月.記)