

関東地方から近畿地方の太平洋岸、四国、九州、伊豆諸島などの海岸地方に。落葉低木に分類されるが、暖地では葉の多くが越冬する半常緑の植物だ。葉がカジノキの若葉に似ていることからこの名が付いたとされる。キイチゴの仲間で別名トウイチゴとも呼ばれる。
当薬草園のカジイチゴは高さ1.7m、幅2mほどに育っている。初夏に白い花を枝先に数輪咲かせ、後にオレンジ色のキイチゴが実る。見た目は美味しそうなのだが、食べてみたところ、うす甘くパンチが足りずあまり美味しく感じなかった。
カジイチゴは根元から次々と新芽が出て増える。根が地上に出て日に当たったり、地中にあっても地表近くを這っていたりすると、そこに芽ができて発芽する。どんどん伸びてまるで“カジノキ林”のようになる。条件が良ければ一面カジイチゴの樹となり増えすぎることもある。
半日陰でも育つ植物だが、基本は良く日に当て栽培する。日当たりが悪いと花の付きも悪くなる。増やすには株分けや挿し木、根伏せ、実生など様々な方法がある。ぼんやりした味の実(キイチゴ)なので、ジャムやジュースに加工するのがおススメだ。さらにレモン果汁などで酸味を加えると美味しく頂ける。
(カジイチゴ/バラ科 2024年1月.記)