

山地に生えるアジサイ科の落葉蔓性植物。イワガラミは枝から気根を伸ばし、岩や樹幹に絡みついて成長する。大きいものは高さ20mくらいまで伸びることがある。花の時期には絡みつかれた岩や樹幹が花で白く覆われる。私がよく行く筑波山では中腹に生えるヒノキやスギの幹に絡みついて咲く様子が見事だ。森林の管理者にとってイワガラミは厄介者であるらしく、根元から切られ枯れてしまっているのをよく見かける。
キャンパスにもイワガラミがある。35年ほど前に筑波山の麓の民家でもらったひと枝を挿し木で増やしたものだ。ヒマラヤスギやラクウショウに絡みつき毎年見事に花を咲かせてくれている。葉には紺斑が入りとてもきれいだ。高さは12~13mくらい。
自生種は半日陰の場所に多く生えているが、栽培する場合にはよく日に当てるのがコツ。増やすには挿し木が簡単だ。アジサイの仲間なので付きやすい。
ここ20年ほど、山野草展では斑入り葉のものをよく見かけるようになった。斑のタイプも本斑や紺覆輪斑、白覆輪斑、散り斑など数種類あり、今では“イワガラミコーナー”が設けられている展示会もある。葉だけでなく枝にも斑が入ることもあり、とても綺麗だ。10年ほど前に自生の赤花が見つかり、こちらも展示会で見られることがある。
(イワガラミ/アジサイ科 2022年9月.記)