
中国原産の常緑多年草。これまでに私が栽培したイカリソウの中で一番大きく育ち70cmくらいまで伸びた株もあった。小さく穂状に花が咲くことからこの名があるという。主に薬用として栽培される。また、珍しいことから観賞用としても栽培される。
ホザキイカリソウは大株になるとある程度増えるが、それを小分けにしてしまうとなかなか大きくならない。気勢が付くまでに3年ほどかかる。以前、私は新芽をきれいに伸ばしたいと思い常緑の葉を刈った。70cmほどの株を根元から切り、株分けをしたのだ。すると気勢が落ち、翌年は背丈が20cmほどにしかならなかった。その株の背丈が40~50cmになるまでには3年もかかった。株分けの時は大きく4~5芽で分け、あまり刈り込まないのがコツのようだ。
8年ほど前に観に行った山野草展のイカリソウコーナーにホザキイカリソウが参考品として展示されていた。その展示会ではホザキイカリソウの販売品は無く、出品者に話を聞いてみると売るほどには増えないのが理由とのことだった。当薬草園にあるホザキイカリソウは私が就職した当時は花茎が3本でそこにいくつか花が咲いているだけのまだ若い株であった。それから40年ほど経つが確かに増えていない。これまでの経験から言えることは、定期的に大きく株分けをするのが一番よく増やせるようだということだ。
(ホザキイカリソウ/メギ科 2022年10月.記)