山野に生える多年草。夏から秋にかけて開花する。花弁とガクの模様が鳥のホトトギスの胸の模様に似ることから、この名がついた。産地により固有種や変化が多く、愛好家も多い。一部地域で民間薬として止血に使われると聞く。
私はホトトギスを山菜として美味しく食べる。生の葉を軽くもむとキュウリの様な匂いがする。これをダイコンやカブなどともみ漬けにすると結構いける。加えて、おひたしや汁の実(具)、天ぷらなど、色々と楽しめる。花を寒天に閉じ込め見て楽しみ、そして食べることもできる。
私がおひたしにして食べるホトトギスの葉をルリタテハの幼虫も食草としている。ヨトウムシが食べているところも見たことがある。
余談だが、ルリタテハの幼虫の見た目はちょっと毒々しいのだが、全くの無毒の幼虫だ。「自分には毒がある」と必死に主張している幼虫がなんとも可愛らしい。成虫の羽の内側は綺麗な青色をした見事な太いラインがある。羽の縁がボロボロに見えるが、これは枯れ葉に似せた見事な擬態だ。
話を戻すと、ホトトギスの増やし方は簡単だ。実生や挿し木でよく増える。特殊なものもあるが、基本的に丈夫な植物で、一度植えるとこぼれダネでも良く増える。観賞用にも食用にも向く植物なので、できるだけ農薬を使わずに食用として育てるのもよいかもしれない。
(ホトトギス/ユリ科 2022年2月.記)