

野原や土手、道端などに生える多年草。草丈25cmほどに成長し、1.5cmほどの淡黄色の花を咲かせる。オダマキの仲間で、一見すると小さなオダマキのような草だ。近年では宅地開発や乱獲などの影響で自生地がかなり減ったように思う。
私が小学2年生の頃に自宅の庭にはオダマキが植えてあった。この頃、近くの林でもヤマオダマキやキバナヤマオダマキなどを見ることができた。なので、3月頃に愛犬と一緒に山に散歩に行ったとき、山道脇に生えている開花前のその植物を見てすぐにそれがオダマキだと思った。草姿がまさしく小さなオダマキだったので、秋の発芽苗のように見えたのだ。
だが、その株を持ち帰り栽培したところ、オダマキではない小さな白い花が下向きに咲いた。とても驚いた。新種の小さなオダマキなのではないかと思ったのだ。私は名前を知りたいと思い学校の図書室で植物図鑑を調べたが載っていなかった。ずっと気になっていて、それがヒメウズという名前だとわかったのはそれから2年くらい経ってからであった。小学3、4年生頃に神田の古本屋でようやく手に入れた牧野図鑑に載っていたのだ。
ここ30年くらい、荒れた里山を管理しようという人たちが増えたように思う。活動するための団体を立ち上げたり、植物の保護活動をしたりする人も増えてきた。とても有難いことである。藪が手入れ、管理されて地面に日が当たるようになった。そのお蔭で数を減らしていたヒメウズの姿もよく目にするようになってきた。山林にはある程度人の手入れが必要なように私は思う。
(ヒメウズ/キンポウゲ科 2024年1月.記)