山地に生える多年草。原産地は日本や東南アジア。早春の花として、また縁起物として好まれる。それが原因なのか、自生地では乱獲されて数が激減している。埼玉県や長野県などにあった群生地が、私の知る限り、今では保護地区でしか群生を見ることができなくなってしまった。
花色、花形の変化が多く、とても綺麗な花が咲く。古くから栽培され、古典園芸植物として知られている。その当時、書物に記録されていた多くの品種は、現在では殆ど無くなってしまったと言われている。だが、福寿草展に行くと、愛好家たちの努力により少しずつ蘇ってきているという話を聞く。
フクジュソウは花弁の形の変化が多く、また赤花の内でも変化もある。愛好家の間での品種改良も盛んで、中でも赤花品種のオレンジ色の花弁のものなどは、自生地では見ることができない。見事なものである。他に、薄い色の白花、緑花などもある。
フクジュソウは有毒植物だ。過去に、フキノトウと間違えて食べたために亡くなった例があるので要注意だ。
私がフクジュソウの写真を撮る時には午前中を狙って行く。気温が上がってきたり、朝日が当たり始めたりすると花が開く。9~11時頃が最もきれいに見える時間だ。日が落ちると共に花は閉じる。これは、夜露や寒さから中のシベを守るための動きなのではないかと思っている。
(フクジュソウ/キンポウゲ科 2021年12月.記)