沢や川、田んぼの排水路あたりなどにも生える多年草。ヨーロッパから中央アジアにかけての地域が原産の帰化植物。
私が子供の頃、クレソンは‘オランダガラシ’と呼ばれていた。現在も標準和名として使用されている。その頃はまだ珍しく、群落がぽつんぽつんとしか無かったが、今ではどこでも見かけるようになった。農家の親父さんに聞いたところ、除草剤でもなかなか完全には枯れないとのこと。かなり生命力が強く繁殖力も強い。
以前は山菜として扱われていた。食べ方は炒め物か天ぷら、火を通してあえ物などにした。生で食べることが無かったのは、おそらく寄生虫が付きやすいことを経験的に知っていたからだったと思う。クレソンと呼ばれるようになって野菜の仲間入りをし、今では栽培品を買うことができる。だが、私は自生しているクレソンの方が美味しく感じる。茎が太く、色が濃くて辛みも強い。花も食べることができる。白く小さな花が沢山咲くので観賞用としても楽しめそうだ。ただし、自生しているクレソンを食べるために採りたいときには、地主さんの許可を得てほしい。
クレソンの栽培は非常に簡単で、水気を多くして良く陽に当てる。そうするとクレソン本来の爽やかな香りとピリッとした苦みが楽しめる。また、何度も収穫することができる植物である。
(クレソン/アブラナ科 2022年3月.記)