クレマチスのなかでも直径10cmを越えるような大型の花を咲かせる「パテンス系」と呼ばれる品種が、同じセンニンソウ属のテッセンと混同されることが多い。
クレマチスはキンポウゲ科センニンソウ属の原種のカザグルマを親として品種改良された蔓性多年草。日本では“クレマチス”の名はセンニンソウ属の中でも観賞価値の高い品種の総称として使われている。一方、テッセンは中国原産の植物である。年に数回、この違いについて尋ねられることがあるので、クレマチスは結構人気があるのだろうと思う。
園芸では、いつの頃からか「蔓性植物の女王」とか「バラに合う植物」と称して店頭で販売されるようになり、一般に浸透してきた。特に在来種のカザグルマを交配親に使ったパテンス系のような、より大きく見事な品種ができてからは園芸家の心をしっかり掴んだように思う。私も心を捕まれた一人かもしれない。中学生の頃、“野田のカザグルマ”との交配を試して色々な花が咲いた事を思い出す。
中学生の頃、私はタキイ種苗でクレマチスの苗を購入して育てた。その時に咲いた赤色の花1輪と野田のカザグルマ1輪(白色)とを交配させてタネを取った。50個ほどできたので実生を試したところ、2年後に30個が発芽、開花した。クレマチスと野田のカザグルマとの交配種の花色は白色、赤色、それに紫色。8弁の一重から、多いものでは200弁を超す八重まで様々だった。中には葉が覆輪のものもあった。200弁を超す八重咲のクレマチスはすべて薄い紫色で、開花した30株のなかに濃い紫色の花は出なかったのを覚えている。
(カザグルマ/キンポウゲ科 2024年1月.記)