

ヨーロッパや北米が原産の落葉半蔓性木本。“ブラックベリー”は広義にはキイチゴ属の総称である。セイヨウヤブイチゴと呼ばれることもある。薬用のほか食用や観賞用として栽培される。丈夫で作りやすく、キイチゴの中でも収穫量の多い品種。12月頃に苗を植え付け、7月頃に収穫できる。
栽培は簡単で広い場所があるとより良い。ブラックベリーは挿し木で簡単に増やすことができる。また、シュートの先端が地面に着くとそこから発根して立派な苗木が得られる。植え付けから3年くらいはあまり伸びないが、根づくと非常に長いシュートが出てくる。長いものは5m近く伸びる。地植えにする場合でも、ある程度広い場所が必要になる。栽培場所に応じた仕立て方でするとそれなりの収穫が見込める。環境が合えば栽培は非常に簡単で、よく出来る植物である。
旧八千代薬草園では高さ2m幅8mのフェンスを作りフェンスの片面にそれぞれ2株ずつ植え、シュートを重ならないように誘引した。7月にはバケツ2杯分ぐらいの実を収穫することができた。すべての実が一度に成るわけではないので収穫をするのに時間と手間はかかるが、ブラックベリーの果実は酸味が強く味が濃くとても美味しい。砂糖と相性が良いので薬草園ではジュースやジャム、寒天など色々なスイーツを作って皆で食べてみた。とても美味しかった。
私の経験から言えることは、鉢植えでコンパクトに作る場合には、長く伸びたシュートを行灯仕立てにして、毎年再生させると良い。花数と収穫量は少なくなるが、シュートを短く切り詰めて栽培することができる。
(ブラックベリー/バラ科 2024年7月.記)