

主に観賞用として栽培される北米原産の多年草。花がウメの形、葉がカラマツソウに似ていることからこの名がついたとされる。花色は白色~濃い赤紫色、緑色まで色とりどり。八重咲きも数種類あり、マニアの心をくすぐる。
ある時、近所のHさんがバイカカラマツの魅力にはまった。花色の美しさが魅力だという。初めてバイカカラマツを見せてもらった直後に私は会員になっていた種苗販売会社でバイカカラマツの苗を数株購入して栽培を始めた。小学4年生の頃のことだ。その頃は一重の花しかなかったが、すごく綺麗な姿に魅了された。
Hさんはかなり作がうまく、毎年のように倍に増やし花を咲かせて楽しんでいた。曰く「よく日に当て、水を切らさず、肥料を適度にあげればできるよ」とのことだった。だが私のバイカカラマツはHさんが作るようには増えてくれず、3年でもせいぜい2倍くらいであった。やがて40cmくらいの平鉢いっぱいに見事に咲くと、近所の花好きな人たちが見に来るようになった。誇らしい気持ちになった。それから3~4年が過ぎた頃にバイカカラマツの八重咲き種が売られ始めたので、私は迷わずに購入し栽培を始めた。こちらは一重のように増えてはくれなかった。でも、よく観察をして手入れをし、それなりに増やすことができた。近所にほしいという人が何人かいたので株分けをしてあげたことを思い出す。私の経験上、株分けをする場合には1株ずつ小分けせず4~5株くらいで分けるのが良い。
バイカカラマツは品種によっては夏が越せず枯れてしまうこともよくあった。私は品種による栽培のコツをつかむまでに少なからず枯らしてしまった。残念な気持ちになったが、枯れた原因を探し、次に気をつけて栽培するための勉強であると思うことにした。
植物全般に言えることだが、栽培をする場合には自生地での生育環境を知った上で行うのが良いと私は考えている。だが外来種の場合にはなかなか自生地に行けないので生育環境を実際に見ることができない。そのため図鑑やインターネットで調べるのだが、なかには疑問に思う記述もあり、判断に迷うことがある。自生地で見ることができれば解決するかもしれないが、なかなか難しいものだ。
(バイカカラマツ/キンポウゲ科 2023年12月.記)