

ヨーロッパ南部から地中海東部沿岸地域原産の本種から改良された多年草。和名をボタンイチゲ、ハナイチゲとも呼ばれている。アネモネ属は世界に100種以上あると言われている。花が綺麗なため人気があり古くから観賞用として栽培されてきた。
私は小学2年生の頃にアネモネの花の美しさに魅了されてはまり、タキイ通販で毎年球根を購入していた。この頃はアネモネ属をとにかく調べまくった。私が育てていたアネモネの花はわずか5、6日で終わってしまっていたので「来年は別の花を見たい」と思い、品種改良をしてみたいと考えるようになった。アネモネは花形、花色などがとにかく多種類あり、一つの個体から採った実生でも花色が結構違うのだ。なので、見たことのない咲き方をするアネモネを見たくなり、この頃から子ども心に“自分のオリジナルの花を作りたい”と考えるようになった。実際にアネモネの交配を行い、たくさんタネを播いた。だが1年では花は咲かなかった。当時の私は全ての植物が1年で花が咲くものと思い込んでいた。同じ頃、ヤマユリの実生も始めたが、1年目に芽が出なかったので私は土ごと別の場所に捨てた。すると翌年にその場所でヤマユリが芽を出して根付き、その4年後には花が咲いた。アネモネとヤマユリの栽培を通して実生の教訓を得た。
私は思いたったらすぐに行動するのだが、あれもこれもと試して忙しくしているうちに忘れてしまうことがよくあった。思わぬ場所から植えた覚えのない花が咲き、「そういえば!」とタネを播いたことを思い出すといういい加減な子供であったのだ。
近年では品種改良が進み、大形の花が出回ってきた。丁度今頃(1月)になると鉢植えが店頭に並ぶ。また、大形のアネモネは切り花としても姿が良く、活けてみるとアネモネの良さ改めて感じることができる。
(アネモネ/キンポウゲ科 2024年1月.記)