

北米東部に広く分布する落葉高木。アケビガキの名前の由来は諸説あり、アケビの様な色の花が咲きカキが熟したような味がするから、とか、実の形がアケビ、花の外見がカキに似ているからなどと言われる。ポポーという名前の方が知られているかもしれない。長さ15cmほどの楕円形の果実は確かにアケビのようであり、短いバナナのようでもある。中には3cmほどの黒い大きなタネが沢山ある。
アケビガキは成長が早く果実の栄養価が高いという理由から戦後に日本各地で栽培された植物だ。だが果実は日持ちがせず流通が難しいことや、大きなタネのせいで食べづらいという理由でその後は殆ど栽培されなかった。ここ数年の健康食ブームで注目され、再び栽培されるようになってきた。今では多くの品種が出回っている。昔に比べ果実の中のタネが少し小さくなり甘みが増したように思う。たまに道の駅で見かけることがあるが、やはり保存が難しく流通はしていないようだ。
雌蕊先熟の傾向があるため自家受粉はしにくい。沢山の果実を収穫したい場合には何種類かのアケビガキを一緒に植えると良い。栽培は簡単で半日陰から日向まで、どこでも良く育つ。古樹になると根先から新芽が沢山出てきて林状になってくる。材が柔らかいため強風で折れたり雪で裂けたりするので注意が必要。
(アケビガキ/バンレイシ科 2024年5月.記)