山地に生えるツツジ科の落葉低木。アカヤシオはツツジ科の中でも一番早く花が咲く。名前に‘アカ’とつくが花弁は赤色ではなく淡桃色。他に白色から濃桃色・濃紫色まで個体差がある。自生地ごとに変化があり、花の大きさには1.5倍ほど違いがある。
私はよく栃木県や群馬県の山にアカヤシオを見に行った。まだ雪が残る春先、他の花に先駆けてアカヤシオが咲き始める。葉を出す前に花だけが枝先に開くので、すごく目立つ。花が終わると一つの芽から5枚の葉が出るので、たとえ花を見逃しても、すぐにこのツツジとわかる。秋には薄紅色に紅葉し、実をつける。熟した実の中にはホコリの様な、とても細かいタネが沢山入っている。
アカヤシオは岩場に生えていることが多い。余談だが、私は花に見とれていて足を踏み外して転んだことがある。カメラは無事だった。写真を沢山撮ったのだが、いつの間にかパソコンから消えてしまった。
アカヤシオのタネはピートモスか鹿沼土に播くと良く発芽する。私が撒いた種は苗の時期は暑さに非常に弱く、ほとんどが枯れてしまった。残った数本が無事に育った。開花までに8年かかったのだが、30年ほどの間毎年のように綺麗な花を咲かせてくれた。その後、幹にカミキリムシが入って、4本を残し枯死してしまった。
ツツジの仲間は挿し木が簡単なものが多いのだが、このアカヤシオは挿し木ではほとんど付かない。なので、増やすには実生が良いが、夏の気温が高くなる千葉県では難しいと感じた。
(アカヤシオ/ツツジ科 2022年1月.記)