熱帯の蔓性木本。大きくなると蔓をフェンスに這わせたり、棚で作って観賞したりする。
私は小学2年生の初夏に花屋で初めてブーゲンビレアに出会い、「なんて綺麗な花だろう」と思った。その2年後の小学4年生の初夏に、当時会員だった種苗会社“タキイ”でブーゲンビレアの苗を手に入れた。その苗を鉢植えにして庭で育てた。1年目は蔓が伸びたが花を付けてくれなかった。2年目の夏にはうまく育ち、花が咲いて感動した。薄赤色の苞だった。3年目の冬には寒波が来たので廊下に取り込んでいたのだが、薄赤色のブーゲンビレアは完全に枯死してしまった。なんと家の中の廊下で鉢植えが凍ったのだ。その時は千葉県北西部で室温が0℃になった。これは50年以上前のことで、当時はひと冬に何度かあった。今では温暖化の影響や、住宅の断熱性能が上がったことで、冬の室内で枯死するような事はまず起こらないだろう。この時には、一緒に育てていたハイビスカス、ペペロミア、サンセベリアといった熱帯の植物たちも皆枯れてしまった。タキイの会員になり、やっと集めた大事な植物たち。植物馬鹿な少年はめげずに小遣いを貯めて、懲りずに植物につぎ込んでいった。
千葉県北西部に住んでいた私は、南方系の植物を見たことがなかった。ブーゲンビレアを初めて目にしたのは、何かの本に白黒で描かれた挿絵で、そういう形態をした植物は関東では見たことがなかった。その植物に子ども心にとても惹かれたのを覚えている。
私がタキイの会員になったきっかけは、両親だった。植物に並々ならぬ興味を持つ私の様子見て「そんなに好きなら」と、タキイ種苗が定期的に発行する冊子の購読を申し込んでくれたのだ。その中にブーゲンビレアをみつけて欲しくなり、小学校4年生の6月に、私はタキイ種苗から苗を購入した。
(ブーゲンビレア/オシロイバナ科 2023年6月.記)