熱帯域から温帯域に分布するチョウ。
私が子供の頃は、図鑑か標本でしかお目にかかることができなかったが、25年ほど前から見かける回数が増え、現在はふつうに会える。習志野キャンパスでもふつうに会えるチョウとなった。
一番大きな原因は食草にあると思われる。9月下旬から4月上旬にかけて、キャンパス内では学生の研究・観察用や観賞用として、スミレ科の植物を絶えず植えている。その一部が、ツマグロヒョウモンの幼虫に丸坊主になるくらい食べられてしまうことがある。また、秋にパンジーを植えると、真冬でも幼虫や成虫に出会う。
子どもの頃の記憶だが、50年ほど前に見ていた図鑑には「蛹で越冬する」とあった。だが、ひょっとしたら、成虫越冬しているものがいるのではないだろうか。というのは、2月の暖かい日にひなたぼっこをしている2齢幼虫を、よく見かけるからだ。幼虫越冬が可能なのだから、成虫越冬もありうるのではないかと思う。それにしても生態がよく解らない。
(ツマグロヒョウモン/タテハチョウ科 2021年12月.記)