かつて1月頃の、日当たりの良い木製の窓際や板のあいだでは、越冬しているテントウムシの姿を見たものだ。コンクリートの建造物が多くなった最近では、どこで越冬しているのか気になる。
私が小学生の頃、隣家の馬小屋や茅葺屋根の建物の板のあいだで数千匹の大群をよく見た。友達と一緒に「これは2星」、「これは7星」、「これは10星」などと言って分けて、何匹いるか数えたものだ。今は皆ナミテントウだとわかったが、当時は星の数で違う種と思いこんでいた。
キャンパスの薬草園で作業をしていても、近年は暖冬のせいか、かつてのように固まって越冬している姿をあまり見ない。いても数十匹単位だ。しかも、たまにしか見ることができない。そればかりか一匹だけで日なたの木の枝にいるのをよく見かけるようになった。暖冬の影響だろうか。
早い時には、2月の日だまりの壁でテントウムシの蛹を見かけるようになった。以前では見ることができない時期だ。
そういえば子供の頃は、テントウムシを手のひらに乗せては指先に上らせ、飛ばして遊んでいた。とても面白い本能だと思った。
(テントウムシ/テントウムシ科 2022年2月.記)