
今回取り上げる昆虫はオオゴキブリである。ゴキブリというと敬遠されがちだが、よく見ると結構きれいな昆虫だと私は思う。クロゴキブリ類のように人家に住み着くことはせず、山野に住み朽木を食べるので害虫とは呼ばない。体長は約4cmと大形で体に厚みがある。動作が鈍くおとなしい性格である。準絶滅危惧種になっている地域もあり、めったに会うことができない。これまでに私が会えたのはたった5回だ。
私が初めてオオゴキブリに会ったのは筑波山麓だ。理学部卒業生のI君と何回か探しに行き、やっと会うことができた。その時に会えたのは成虫1匹と幼虫が4匹の計5匹。念願の出会いに嬉しくなり、観察をはじめてから元の場所に戻すまでにたっぷり2時間。あれからもう10年経つが、それ以来、筑波山に行っても彼らには会えていない。
何年か前に、ペットショップでオオゴキブリの近縁種のマダカスカルオオゴキブリ“オブロンゴナータ”が売られているのを見かけた。知人がペットとして飼っているのだが、人に話をすると引かれるので飼っていることは内緒らしい。とは言うものの、独特のツヤとクワガタのメスにも似たフォルムがなんとも言えず、見れば見るほど私はその魅力に惹かれる。
(オオゴキブリ/オオゴキブリ科 2022年1月.記)