モンキチョウは幼虫越冬をするチョウだが、私は成虫越冬する様子をよく見る。羽は黄色で白くはっきりとした紋がある。遠くからでも見つけやすい、よく目立つチョウだ。野原や土手などでよく会う。
成虫は啓蟄を過ぎるころから動き始め、暖かい日には日向ぼっこをしているのをよく見かける。普段はすごく臆病なチョウで、飛んでいたかと思うとすぐに物陰に隠れる。植物などに止まっているのを見かけて写真を撮ろうと近づくと、気づかれていないと思っているのだろうか、忍び足で反対側に隠れる。
土地柄なのか、私はこのチョウの黒化型をよく見る。黒っぽい姿は“よくある変化”だと思っていたのだが、専門家のTさんに話をしたところ「とても珍しい変化で、あまり知られていない。」と言われた。2019年に会った黒化型はそれまでに見てきたどのモンキチョウよりもかなり黒い個体で、そこまで黒いモンキチョウにはその時に初めて出会った。その場所には、私が知る限り同じぐらい黒化したモンキチョウが3匹いて、私はそのうちの1匹を撮影のために捕まえた。そっと観察し、撮影後はすぐに放した。貴重な写真と映像が撮れた。
モンキチョウの寿命は結構長く、3か月ほどと聞くが、私が写真を撮ってから3日後には姿が見えなくなってしまった。鳥に食べられてしまったのだろうか。あれほどの黒いモンキチョウに今度いつ会えるか楽しみである。
(モンキチョウ/シロチョウ科 2022年3月.記)