林や山のふちなどで普通に見かけるコガネグモ科のクモ。
まだこのクモをよく知らなかった小学2年生頃の私は、クモの巣に食べ残しを一列にたくさん並べている様子を見て「とても几帳面なクモだなあ」と思っていた。巣はけっこうあちこちに沢山あるのに、どの巣にもクモの姿が全く無い不思議なクモだと思っていた。現在のようにネットは無く、調べるには図鑑しかなかった。当時、唯一私の手元にあった図鑑は、小学館の昆虫図鑑で、ゴミグモは載っていなかった。ある時ゴミクモを探し、巣をしみじみ見続けていると何かが動いた。クモだ!やっと謎が解けた。ゴミの様に見えていたのは食べかすで、その中にゴミに擬態しているクモの姿があった。クモみっけ!実はクモをいつも見ていたのだ。今思えば、無知な小学生の私は好奇心だけでゴミグモを観察していたのだ。見れば見るほど見事に食べかすと同化している。じっとしていると本当に、居ることがわからない。お見事!忍者グモ!このことがあってからは、ゴミの塊をよく見てゴミグモを探すようになった。私が見てきたゴミグモは、下部にじっとしている個体が多かったように思う。
(ゴミグモ/コガネグモ科 2024年2月.記)