

国内では北海道から九州にかけて分布する。シジミチョウの仲間で、白地の翅に黒い斑紋が入る。飛んでいてもすぐにわかるはっきりとした点々の翅模様。独特の姿が魅力的だ。近年めっきり会えなくなってきた。
成虫の体が他のシジミチョウよりも引き締まっているように見えるのは、食べ物の影響なのではないかと私は思っている。ゴイシシジミの幼虫は山地のササに付くササコナフキツノアブラムシやタケツノアブラムシ(以後、「アブラムシ」と記す。)を食べる。なので、それらのアブラムシがいないとゴイシシジミに会うことができない。私はゴイシシジミに会いたくなった時には笹原の中でアブラムシを探し彼らが来た痕跡がないかを調べる。だが、アブラムシが沢山いるからといってゴイシシジミがいるとは限らず、むしろ、いないことのほうが多い。
私がこれまでに会ってきたゴイシシジミたちはいずれも成虫5、6匹で小さなコロニーを作り、縄張りを持っているように見えた。アブラムシの近くに幼虫が1、2匹いて成虫が5、6匹いるのだ。ゴイシシジミはすごく鈍感な性分なのか、指で軽く触れるくらいではあまり逃げたりしない。逆に彼らの方から私の指先にとまってくれることがあるので、すごく親近感が湧く。
(ゴイシシジミ/シジミチョウ科 2024年4月.記)