
40年ほど前は台風の後に見られる“迷蝶”として私の住む千葉県あたりでも何回か見ることがあった。20年くらい前からはその機会が急に増え、今では千葉県でもふつうに見かけるようになった。そのような蝶はナガサキアゲハやクロコノマチョウなど数種類いるが、その中でもアカボシゴマダラはすごく増えた種のように思う。これまでに訪れた場所のうち、アカボシゴマダラが増えた場所では在来種のゴマダラチョウの姿が少なくなったように私は感じている。
以前、「オオムラサキの幼虫がいた」と若齢の幼虫を貰ったことがある。育て始めて15-16日ほどで蛹化した。だが、羽化したのはアカボシゴマダラだった。確かにアカボシゴマダラとオオムラサキの幼虫は似ている。食草も同じなので私は疑わずに飼っていたのだ。
話は逸れるが、オオムラサキと聞くと近所に住んでいたおじさんを思い出す。私が小学生の頃、おじさんが「我が町にオオムラサキを飛ばす!」と夢を抱き、かなりの数を飼育、放蝶した。残念なことに、珍しさゆえにマニアに採集され尽くし居つくことはなかった。
チョウの中には気の強いものがいる。アカボシゴマダラやオオムラサキは縄張り意識が強い。餌場で他の昆虫と喧嘩をしているのを見かける。アカボシゴマダラは樹液を吸っている時は素手で簡単に捕まえることができてしまうチョウなのだが、スズメバチに喧嘩を売っている場面も何度か見ている。餌場でのトラブルはしょっちゅうで、なんとメジロに向かっていった場面を目撃したこともある。その時に、彼らはすごく気の強いチョウなのだと知った。
(アカボシゴマダラ/タテハチョウ科 2022年10月.記)