ミサゴは日本全国に生息する猛禽類の一種。主に魚類を食べる。
私が手賀川でミサゴ家族のミイ(命名:私)と出会ってから1年半位になる。どうやら近くで営巣しているようだった。いつもの場所で会うと、私を観察するようにジッと見るようになったので声掛けを始めた。ミサゴなので勝手にミイと名付け、彼が来るたびに「ミイ、おはよう。」と声を掛けた。2ヶ月が過ぎる頃には「ミイ、ミサ。」と呼ぶと、たまに「キィ」と甲高い小さな声で答えてくれるようになった。そんなやり取りを繰り返し、秋も深まった頃、私の車を見ると、私から5mくらいの所まで来てくれるようになった。
ある日、ミイの姿が見えなかったので、いつも彼がやって来るあたりで車を止めて待っていた。すると、鋭い爪に魚を下げて車のそばの電柱に飛んで来た。「ミイ、凄いね。取ったのを良く見せて。」と頼むと、ぐるりと向きを変えて、捕った魚を見せてくれるようになった。舞い降りた電柱の上で器用に向きを変える。たまに魚を落とすこともあった。ミイの家族が親子4羽でそれぞれ魚を捕ってきて、声掛けをすると見せてくれたということもあった。その後、ミイ家族はいつもの場所に来なくなってしまった。なので、鳥仲間のSさんに尋ねてみた。どうやら、生息域の重なるコミミズクの写真を撮りに来ていた人達に、撮影目的で追いかけられたということだった。
ミサゴは人を観ていると思う。そして、毎日会うと、こちらに興味を示すようになってくる。最初はとても警戒しているが、声掛けを続けると更に興味を示して、返事をしてくれるようになる。そして、ミイは魚を獲ったことを私に自慢したがっているように見えた。
(ミサゴ/ミサゴ科 2021年12月.記)