

ミコアイサはユーラシア大陸北部の針葉樹林帯で繁殖する鳥で、日本へは越冬のためにやってくる冬鳥だ。ふだん私がよく行く場所では2~3羽でいるのを見かけることが多い。これまでに見た一番大きな集団は12羽で、オス7羽とメス5羽。12月頃だったと思う。それだけいると見事であった。
オスは体が白い羽毛で覆われている。そして顔には目の周りを縁取る黒く丸い斑紋があるので鳥友の間では愛情を込めて「パンダ」と呼んでいる。オスの目の周りのパンダ模様は大きく分けて3パターンあるように私は思う。ひとつめは目の前から嘴にかけて広範囲に黒いパターン。ふたつめは目の周りが丸く黒くなっているパターン。そして3つめは目の周りから後頭部の黒い羽毛まで繋がって黒くなっているパターンだ。また、個体によって微妙に大きさや形が違う。体型にもかなりの違いがあるように見える。観察をするたびに興味が増す鳥だ。
先日、水戸市の大塚池で求愛行動をするミコアイサを見た。池の真ん中あたりにメスが2羽、オスが1羽いて、オスがメスに向かいしきりにお辞儀をして頭のとさかの様な羽を立てたり下ろしたりせわしなく動かしていた。カメラ越しにオスと目が合ったと思った瞬間、彼は水に潜ってしまった。
(ミコアイサ/カモ科 2022年3月.記)