茨城県に雨引観音(あまびきかんのん)と呼ばれるお寺さんがある。山の中腹にあって、正しくは雨引山楽法寺という。私が子どもの頃からクジャクがいるお寺として知られている。
現在、雨引観音では境内で放し飼いにされているクジャクが6羽いる。いや、実際は全部で何羽いるのか、わからない。昔は大きな小屋で飼われていたが、Webサイトのお知らせによると平成8年頃に一部を放し飼いにしたらしい。放し飼いの彼らは生き生きしていてとても元気だ。雨引観音には他にもシナガチョウや、アヒルなど放し飼いの鳥がいる。
私が会ったクジャクの中に、愛想が良く人懐こい個体が3羽いる。その中で私といちばん相性が良いクジャクは、私が勝手に「ジャック」と呼んでいる。彼は私を見ると大きな飾り羽を広げ、ザザザザザッと音を立てて羽を広げて挨拶をしてくれる。ジャックは、お寺さんの駐車場わきにあるお店の屋根に上がり、羽を広げて訪れた人を歓迎している。この行動はメスへのアピールなのだが、彼は羽を広げると食べ物をもらえることを知っていて、人を見ると羽を広げて音を立てる。何ももらえないと大きな甲高い声を出して催促するのだが、大抵わかってもらえない。凄い目で訴えているのに。
(クジャク/キジ科 2022年4月.記)