

嘴が横に広いのが特徴のカモ。全長40~50cmほど。日本へは越冬のために飛来する冬鳥だ。警戒心が強く臆病な傾向にあるように思う。単独でいることは稀で、数羽から数十羽、多い時には数百羽の大集団まで、いるところにはいる。たまにマガモなどに数羽紛れ込んでいることもある。
雄の体色は一見マガモに似て見間違いそうになるが、体が一回り小さいことと嘴が横に広く大きいことから区別できる。雌の体色は地味で他の雌カモに紛れるとわかりづらいが、やはり嘴で区別できる。私がよく行く坂田ヶ池には留鳥を含め絶えず30~40羽のハシビロガモが飛来している。臆病な性質のはずだが、人慣れしているのか、そこでは彼らは観察されるのも写真を撮られるのも、それほど気にしていないように見える。
食べ物は主にプランクトン類だが、観察をしてみると水生昆虫や貝類などなんでも食べるようだ。公園の池ではパンを貰っているのもよく見かける。モツゴやタナゴなどを捕まえ食べている様子も見せてくれる。
プランクトン類を食べるために、彼らがぐるぐる回って水に渦を作る様子はとても面白い。何十羽も集まると大きな渦ができるので、見ているとつい時間が経つのを忘れてしまう。
(ハシビロガモ/カモ科 2022年3月.記)