キャンパスの植物たち

東邦大学名誉教授  吉崎 誠

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キャンパスの植物達

理学部I号館周辺(1)

アオノリュウゼツラン(開花期)

メディアセンターと理学部I号館の間の通路沿い、理学部I号館側には温室の近くから、モクレン科のタイザンボク、その下にジンチョウゲ科のジンチョウゲ、マメ科のイヌエンジュ、白い花と赤い花のアオイ科のフヨウ、トウダイグサ科のオオバアカメガシワとミズキ科のサンシュユがあります。
  理学部I号館の化学の実習室の前にはトベラ科のトベラ、バラ科のタチシャリンバイ、ヤシ科のトウジュロ、かたい葉のリュウゼツラン科のユッカイトランアオノリュウゼツランリュウゼツランハコネウツギ、やわらかい葉のユッカアツバキミガヨランとカンナ科のカンナがあります。そしてハコネウツギがあります。

 アメリカハナミズキはミズキ科の低木です。理学部I号館が建設されたときに、この木の美しさに魅せられた卒業生の方がお祝いに150本も習志野キャンパスに植えらものだそうです。しかし、どう考えてもそれだけの数の苗木がうえられた形跡がなく、せいぜい15本くらいだったのではないかと思っています。アメリカハナミズキはわが国では花木(カボク)として植栽されていますが原産地北米のアパラチア山脈から東では松林など森林の亜高木として出現します。春にまだ他の樹木が葉を拡げる前の明るい林の中に白い着物をきたように点在しています。決して吹きさらしの平地に1本だけが単独で生育している木ではありません。キャンパスではこの木の上を覆う木がないのであまり大きく生長することがありません。わが国に自生するアメリカハナミズキの仲間がヤマボウシです。アメリカハナミズキは4月に咲きます。4枚の花弁のように見えるのは総苞片です。ドクダミの花の構造とよく似ています。アメリカハナミズキの総苞片の先はへこむのに、ヤマボウシの総苞片の先はとがります。ヤマボウシの花は6〜7月に咲きます。この頃、筑波山や高尾山など近くの山に登ると、濃い緑の林の中に、まっ白な花で飾られたヤマボウシの姿を見ることができます。

 I号館の東側の非常階段の南北にズキ科のミズキを植えました。このミズキはI号館と同じ年齢です。天に向かってまっすぐにのびた茎から、車軸状に枝を水平に張りだしています。このような枝ぶりの木を棚植物といいます。葉は互生しますが枝の先に輪生状に集まってついています。長い柄を持ち、広楕円形〜円形ですが、若い枝に生じた葉は左右非相称です。へりにきょ歯はなく、先は急にとがっています。葉の表は濃い緑色ですが、裏は白っぽい緑色で、表も裏も葉脈は明瞭です。5月に枝先に散房花序に白い小花をたくさん開きます。花期、屋上からこの木を見るとひたすら白い木です。

 ミズキは名前の示すようにとても水を好む木です。枝を切ると水が滴り落ちます。葉も水っぽく、やわらかくてアメリカシロヒトリのかっこうのエサとなってしまいます。

 サンシュユもミズキ科の仲間です。3月にまだ葉の展開する前に、散形花序で黄色いかれんな小さな花を密生します。

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▲タイザンボク


▲アメリカハナミズキ

▲アメリカハナミズキ

 

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