26-ヒジキの体のつくり

ヒジキ
Sargassum fusiforme (Harvey) Setchell
褐藻ヒバマタ目ホンダワラ科
採集地:千葉県銚子市外川畳岩
採集日:(確認中)

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ヒジキはわが国と、周辺海域に広く分布する褐藻です。海には原則として1日に2回の干潮と満潮があります。最も高い海面を高潮線、最も低い海面を低調線といい、この高潮腺と低潮線の間を潮間帯といいます。ヒジキは、潮間帯の中部に群生しています。体は、根のような匍匐部、茎のような直立枝、葉のような棍棒状紡錘形の葉状部からなります。初夏には葉状部のつけねに、米粒大の生殖器を形成して卵と精子を生じます。受精卵を放出すると直立枝や葉状部は枯れて消失してしまい、匍匐部のみ残ります。秋のはじめに匍匐部から直立枝を生じて、春には1〜2mに成長します。

葉状部を切って顕微鏡で観察すると、表皮細胞、皮層と髄層とに区別できます(A:横断面)。干出に耐えられるように厚い皮層をもつと考えられます。葉状部の一部は時に、中空となって空気をためる気胞となります(B:横断面)。葉状部や直立部の縦断面を見ても、コンブ目植物に見られるような、師管のようなラッパ状細胞は見られません(C)。

市販のヒジキは浜で大きな鉄鍋で3〜5時間も煮てから乾燥して保存したものです。ふっくらとした円柱状で、黄褐色の生体を煮ると鮮やかな緑色となり乾燥すると真っ黒になります。生体はたべるととても渋いので、決して生ではたべません。

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