09-クシベニヒバ

クシベニヒバ
Ptilota filicina J. Agardh
紅藻イギス目イギス科
採集地:北海道室蘭市絵鞆
採集日:2002年8月5日

→詳細画像(389kb)

わが国では岩手県以北の冷たい海域に広く分布する美しい海藻のひとつである。潮間帯下部から漸深帯に大きな群落を形成し、細長くよく分枝した濃い紫色の海藻である。10mをこえる深所に生育するものは真っ赤な色をしている。体先端(右上図)を見ると、頂端成長から切り出された中軸細胞の2つおきに互い違いに側枝を形成し、中軸から生じる側枝のへりは鋸歯となり、これがあたかも櫛の歯のように見える。体を切ってみると、体は扁平で、中軸細胞があり、老成すると中軸細胞の周辺に細い髄糸が加わる(左下図)。本図はクシベニヒバの四分胞子体である。指状に突き出した糸の中に、四分胞子嚢が見られる。本図は、北海道室蘭市絵鞆岬で打ち上げで採集したものである。

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