QAMの受信ベースバンド信号は下記のように表せます。

は位相ジッタや同期検波の周波数偏差など、 は送信パルス、 はチャンネルの等価ベースバンド応答、 は加法的白色ガウス雑音
(Additive White Gaussian Noise )です。 複素シンボル
の個数を多くすればするほど、一つのパルス が運ぶ情報量は多くなります。 たとえば、16QAMは一つのパルスで4ビットを運び、64QAMは一つのパルスで6ビットを運びます。 雑音が小さければ、256QAMは大丈夫かもしれません。 複素シンボルの配置にはいろいろなものがあります。 もっとも簡単なパターンは、下図のように方形状に並べるものです。

また、下図左の同心円タイプ(多相多レベル)は
9600bps (CCITT.v29) の電話回線アナログモデムのシンボル配置です。 右はシンボル間距離が同じになるように配置した蜂の巣パターンです。

シンボル配置の採用には、信号の平均電力を一定にして次のようなことを考慮すべきです。
1. 搬送波の位相ジッタが大きいか? (上図左は電話回線用アナログモデム標準に採用されている)
2. ブラインド等化が可能か?(Constant Modulus Blind Equalizationを参照)
3. 差動グレー符号の割付けが体系的にできるか?(差動グレーを参照)
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