5.河口域における地球化学的検討(指導および共同研究)

硫酸還元菌が出す硫化水素ガスは悪臭として問題視され、現在は環境問題とからめその対策が迫られている。特にその微生物にとって有機物や硫酸イオンといった材料が豊富である河口域におけるその微生物の活動について、鉄の状態変化をあわせた研究を行っている。

多摩川の河口域において硫酸還元菌の深さ的分布等を調べ、同じく鉄の状態もメスバウワーを用い調べた。また硫酸還元菌を分離純培養し、その基本的性状や16S r RNA の解析を行うことによりDesulfovibrio sp. であることがわかった。さらに、本来、人工的には高温高圧環境下でないと作り出せないパイライト(鉄化合物)が、この微生物の働きで、常温常圧環境下にてそれに近い物質が出来ることを明らかにした。

本研究は地球化学分野を主体に行っており学生の研究の指導を行っている(論文21、32発表60、63、64、65、66、78、79、80)。