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東邦大学名誉教授 吉崎 誠

海藻顕微鏡画展へのおさそい

※オープンラウンジでの展示は終了しました

海藻と陸上植物の組織をスケッチした顕微鏡写真を標本とともに展示しています。

会場:東邦大学理学部II号館2階オープンラウンジ

会期:2004年11月10日からおよそ1ヶ月間

東邦大学へは・・・JR津田沼駅北口、京成バス4番、5番乗り場から約10分、「東邦大学前・済生会病院前」下車。「三山車庫」「二宮神社」「日大実籾」「八千代台駅」行きのいずれでも可。 正門左手の守衛室にて開催場所をご確認下さい。→地図

お問合せは・・・v-lab@toho-u.ac.jp までメールにてお問合せ下さい

顕微鏡画の世界

 顕微鏡と望遠鏡は良く似た構造をしています。

 望遠鏡は2枚のレンズを用いて遠くのものを近くに見る機械です。 顕微鏡も2枚のレンズを用い、小さなものを大きく見る機械です。 望遠鏡は鳥や星など、存在するものを直接見る機械です。 でも、顕微鏡はスライドグラスの上に見たいものをのせてプレパラートを作って見るものです。 積極的に見よう、見るぞという気持ちが働かないと見られないものです。

 顕微鏡をのぞいて見えたものを直接スケッチするフリーハンドスケッチは、生物学の基礎勉強です。 フリーハンドスケッチよりも写真撮影によって記録した方が確かなデータが得られるはずです。 デジカメで撮影した写真を添付してレポートを作る人がいますが、フリーハンドでスケッチしたレポートの方が、何を見ようとしていたのか、またどこまで正確に見えたのかが明確にわかるものです。観察する人が顕微鏡を駆使しながらスケッチしたものにはかなわないのです。 ですから、たくさんのプレパラートを作って、たくさんスケッチを描いた人ほど形態学的知識は豊かです。 観察したことを正確に記録することが顕微鏡画の目的です。

 顕微鏡描画装置は顕微鏡で見られる画像をトレースする機械です。 機械が描いてくれるのではありません。 構造はみないたって簡単なもので、接眼レンズの上にプリズムをのせて見ながら描くアッベ式、それに鏡をつけたもの、顕微鏡の鏡筒部分にプリズムをセットした中間鏡筒型、顕微鏡画像をそのまま壁に投影してその内容をなぞるものなどがあります。
  どの描画装置も万能というものはありません。それぞれの機械に習熟しなければ同じ人が同じものを描いても、時にはまったく異なったスケッチができあがってしまいます。

 顕微鏡は染色体の縞模様を詳細に観察するために開発されてきた機械です。 奥行きのない平面的な象を見るには適していますが、厚い切片で、奥行きのある生物体の構造を見ることはとても困難な機械なのです。
  ここに展示してあるスケッチは顕微鏡の微粗動装置と、コンデンサー(集光器)とを駆使し描いたもので、それぞれとても奥行きのある、すなわち立体感のあるスケッチであることが特徴です。

 これらのスケッチは研究と教育のために書いたものです。これらのスケッチにアート的な美しさを見出したならば、それは「自然は偉大な芸術家」であるからだと思っています。

  あなたも顕微鏡画を描いてみませんか。


展示会場にて