掲載:2011年9月5日

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アメリカ西海岸オレゴン沖における底延縄漁業によるアホウドリの‘混獲’

 アホウドリ再生チームのロブ・サーヤンさん(Dr. Rob Suryan, オレゴン州立大学ハットフィールド海洋科学センター)からのメール(2011年8月23日)によると、2011年7月4日、アメリカ西海岸オレゴン州ニューポートの南西約100kmの海上で、1羽の若いアホウドリが底延縄漁業によって混獲されました。この鳥は、付いていた足環(右脚:環境省13C-2402、左脚:白201)から、2010年4月24日に鳥島北西斜面の新コロニーで標識され、その5月に鳥島から巣立った個体だと判明しました。したがって年齢は、産卵から数えて約1歳8ヶ月でした。

 これまで、アホウドリが底延縄漁業による事故死は、ベーリング海やアリューシャン列島近海、アラスカ湾など、もっぱらアラスカ海域で発生していました。アメリカ西海岸沖での混獲は今回が初めてです。同じくアホウドリ再生チームのエド・メルヴィンさん(Dr. Ed Melvin, ワシントン大学海洋基金/水生・漁業科学大学院)は、この事態を重視して、この海域の延縄漁業者に対して混獲防止方法の普及・啓発に積極的に取り組むと話してくれました(2011年7月26日に東京での会話とその後のメールで)。それに協力するため、これまで35年間にわたる足環標識記録を一覧表にして提供しました(合計3,860羽余)。

 

参照:

2010.10.13 「ベーリング海における底延縄漁業によるアホウドリの'混獲'」