文 : 習志野メディアセンターSTAFF
日が長くなり、外気も少しずつ暖かくなって、すっかり春めいてきましたね。
同時に、花粉症のみなさんにはつらい季節でもあります。
今、花粉症に苦しむ日本人はほぼ十人に一人。花粉症やアトピー性皮膚炎、気管支ぜんそく、食品アレルギーなど何らかのアレルギー症状を訴える日本人は厚生労働省の調べだとほぼ三人に一人になる。アレルギーは現代の国民病である。1)
鼻水、くしゃみ、目のかゆみ、頭痛・・・と花粉症の症状やつらさは人それぞれです。マスクはもちろんですが、みなさんはどのような対策をしているのでしょうか。
「つらいけど、眠くなるので薬は飲みたくない」「○○がいいって聞くけど、本当に効果あるの?」というような、素朴な疑問を解決するためにも、まずは花粉症という病気について知ることからはじめませんか。
今回は、花粉症とはどんな病気なのか、そもそもアレルギーを引き起こす『免疫』はどのようなものなのか、花粉症への対応策にはどのようなものがあるのかについてご紹介します。
今回は下の3つをキーワードに、花粉症やアレルギー・免疫に関する資料を集めました。
展示期間中も通常通り貸出が可能です。もし、読んでみたいと思った本が貸出中であれば、お気軽に予約をしてください。
予約方法についてはこちらをご覧ください。 貸出中資料の予約
また、今回は理学部の佐橋紀男先生より花粉の写真をお借りして、花粉の電子顕微鏡写真の展示もあわせて行います!どうぞお立ち寄りください。
免疫のはたらきやアレルギーの起こる仕組みなどについて解説している資料を集めました。
東京 : 羊土社 , 2008.5.
【請求記号】491.8/Ni 1000570265 【配架場所】2階
免疫とは何か、私たちの体の中で免疫がどこで・どのようにはたらいているのか、そのはたらきのおかげで病気と戦っていること、 しかし時には体にとって悪い影響を与えてしまうことなど、免疫のしくみについて図や絵を用いて丁寧に解説しています。 第II部で、花粉症などアレルギーについて取り上げています。
東京 : 講談社 , 2007.4. - (ブルーバックス ; B1551).
【請求記号】ブルー490/Ki 1000517589 【配架場所】2階閲覧室
生き物の体に備わる、病気や病原体から生命と健康をも守ってくれる免疫。しかし、時として、逆の動き、命を奪うほどの危険な反応をも引き起こしてしまう営み。 「諸刃の剣」を持つと言われる1)免疫のしくみについて解説するとともに、ウイルス学、免疫学、血液学の進歩や医薬品開発への応用に貢献したたくさんの研究者、不運にも日の目を見ることのなかった研究者の生き様や功績なども紹介しています。 第1章、第2章で、ブタクサ花粉症を報告した荒木英斉博士、杉花粉症を突き止めた斎藤洋三博士、アレルギーを起こす抗体を発見した石坂公成・照子夫妻の研究者人生や発見に至るまでのエピソード、アレルギーの起こるしくみを解説しています。 免疫というひとつのテーマに、これだけたくさんの人々が人生をかけ、その仕組みを解明し、それが私たちの命につながっているという歴史を認識する1冊。
東京 : 裳華房 , 2001.2. - (ポピュラーサイエンス ; 231).
【請求記号】ポピュラー490/Ya 1000231405 【配架場所】 2階閲覧室
東京 : 講談社 , 2008.1. - (ブルーバックス ; B-1585).
【請求記号】ブルー490/Sa 1000546489 【配架場所】2階閲覧室
花粉症とは何か、どういう種類の花粉症があるのか、どうして花粉症になるのかなど、花粉症について解説している資料を集めました。
汐文社,2008.3. (知っておきたい子どものアレルギー ; 2).
【請求記号】493.14/Ni 1000649440 【配架場所】2階
喘息・アレルギー性鼻炎・花粉症について、どのような病気なのか、どうして起きるのか、どのように対処したらいいのか、お友達がこれらの病気の場合、 どのようにつきあったらいいのかなど、絵本作家のイラストとあわせて子供向けにわかりやすく解説しています。 また、「先生方へ」「おうちの方へ」として、学校生活や家庭生活でのサポートについてもまとめられています。
新版. - 京都 : 化学同人 , 2006.3.
【請求記号】493.14/Sa 1000555019 【配架場所】2階
これまでの研究・調査で明らかになった花粉と花粉症に関する最新の知見をもとに、花粉症のルーツ、その後の日本における花粉症の発見と研究、花粉症の起こるメカニズムやアレルゲン、花粉症の動向・診断方法・予防法などについて、解説しています。 花粉症の専門家だけではなく、「気象からわかる花粉症」の章では、どのように花粉予測が行われているのか、花粉情報システムの現状と将来を気象予報士の視点から解説しています。 また、花粉症の克服に向けた行政の対応もまとめられています。
現在行われている花粉症治療の話題や花粉症を予防するための対策方法などについて解説している資料を集めました。
東京 : 岩波書店 , 2002.2. (岩波アクティブ新書 ; 14).
【請求記号】493.14/Sa 1000368280 【配架場所】2階
本学薬学部の佐橋先生の著書。花粉症の起こる仕組み、さまざまな原因物質やその発生時期・エリア・症例数など、「標準的治療」方法やその効果・問題点、最新の知見や今後の見通し、 花粉の観測がどのように行われ、予報されるのか、その情報をどのように役立てればよいのか、花粉を回避するための対策や国や地域で取り組まれている花粉源への対策などについて解説しています。 それら情報の根拠となった参考文献リストも巻末に紹介されています。
ライフ・サイエンス,2008.11.
【請求記号】493.14/Ba 1000648871 【配架場所】2階
『鼻アレルギー診療ガイドライン―通年性鼻炎と花粉症―2009年版(改訂第6版)』の内容を患者や家族、一般向けにエッセンスだけをやさしく書き直したものです。 アレルギー性鼻炎の症状や患者数、診断方法、治療方法について、どのように治療や薬を選べばよいのか、その目安について、妊婦の治療についてなど、図や写真を用いて解説しています。
日経BP社.
【請求記号】490.4/Na 1000648848 【配架場所】2階
私たちはからだの不調を感じたとき、病院にかかりますが、「体調が変だったけど、案外なんでもない、という人がずいぶんと多い」 2)という事実、「これくらいはほうっておいてもだいじょうぶだよということであったり、治療をどんなに一生懸命したって、これくらいはうまくいかないよ」2) というようなあいまいな医療の現実を意識した上で、治療を選択するためのヒントのようなものを示しています。第7章では花粉症について取り上げ、「花粉症くらいではステロイド薬は使わないほうがいいのでしょうか?」という、 花粉症患者にとっては気になる質問について、見解をまとめています。花粉症の診断・治療方法について、それぞれの特徴や違いをエビデンスに基づいて解説しています。
なぜスギ花粉症が増えたのか?治療ワクチン開発の歴史、最前線の話題などを解説しています。
1.岸本忠三, 中嶋彰著. 現代免疫物語 : 花粉症や移植が教える生命の不思議. 東京, 講談社, 2007, 262, vip.
2.名郷直樹著. 治療をためらうあなたは案外正しい : EBMに学ぶ医者にかかる決断、かからない決断. 東京,日経BP社, 2008, 257p.