24-アラメの茎の縦断面

アラメ
Eisenia bicyclis (Kjellman) Setchell
採集地:千葉県富津市竹岡 棚海岸
採集日:1997年12月14日

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温帯性のコンブ科植物のアラメは、わが国の温帯域にひろく分布している。特に、茨県と千葉県では広く大きな群落を形成している。直径30cmにもなる円錐形のしっかりした根状付着部で岩にしがみつき、直径3〜5cm、長さ1mほどの茎で直立枝、その上に二叉の枝を生じ、枝の末端には広い葉を30枚も生じる。

陸上に生活する木や草には維管束があります。維管束は根から吸い上げた水を体の上部に運ぶ木部と、光合成で得た栄養物質を茎や根に運ぶ師部からできています。アラメの茎を縦に薄く切って、顕微鏡で観察すると、体の中央部に陸上植物の維管束の師部に見られるような師管(篩管)のようなラッパ状の形をした細胞が見られます。ラッパ状細胞のまわりには柔らかい細胞が取りまいており、これらの細胞も、光合成で得た栄養物質の移動に関わっているものと考えられます。このような体の作りはアラメもアオワカメ、ヒロメやワカメも同様で、コンブ科の仲間の共通した特徴です。

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