03-アツバダルス(厚くなる様子)

アツバダルス 
Palmaria marginicrassa Lee
採集地:岩手県下閉伊郡山田町小谷鳥港内
採集日:2004年7月4日

→詳細画像(337kb)

ダルスと同じ生活環をするものと考えられているが、本種の生殖器官はまだ見たことがない。体はへら状で、群生し、中肋状に赤いすじが形成されるがこれからの研究を待たないと詳細はわからない。本種の若い部分から老成した部分まで皮層が厚くなる様子をスケッチしてみた。

紅藻類の体には、細胞と細胞の間に原形質連絡糸(pit connection)と呼ばれる構造体がある。細胞が最初に分裂した時に生じるものを一次連絡糸、隣接した細胞同士の間に形成されるのは二次連絡糸で、構造的には両者を区別することは難しい。また、隣接した細胞はおうおう融合することがある。ダルスの体は皮層と髄層とからなる。髄層は大きな細胞からなり、皮層は小さな細胞からなる。アツバダルスでは皮層が発達して髄層とほぼ同じ厚さになる。この皮層の細胞は互いに融合して大きな融合細胞を形成する。このように皮層の細胞がたがいに融合することはここにはじめて紹介するものである。

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