千葉県船橋市における2008年のスギ・ヒノキ科花粉総飛散数の予測

 元東邦大学薬学部教授 佐橋 紀男

今年の花粉症の傾向

花粉が平年以上、東日本では飛散するとなれば、患者さんもかなり 辛いのではないでしょうか。
飛散期間も昨年より長く多いので発症期間が長く症状も重いと思われます。
花粉飛散量は東日本、特に関東では昨年の2〜3倍で過去10年平均より少し多い程度ですが、西日本では昨年並みか、やや少なく、過去10年平均より少なめと思われます。

飛び始めについて

これまでのところ(1月25日現在)日本のどこでも飛散開始しておりませんが、南関東では九州南部より早くなるので、今の冷え込みが長く続かなければ2月10日ころの南関東から飛散開始になる。
ピークの期間最初の大きなピークは2月下旬、2回目は3月上旬、3回目は3月下旬4回目は4月上旬(ヒノキ科花粉主体)と予想されますのでピーク期間は2月下旬から4月上旬と長い期間になりそうです。
時に辛い期間は2月下旬から3月上旬。

花粉の飛散傾向から 〜今年の花粉症における2,3の注意点〜

花粉の飛散状況から最初にも記載しましたが、ピークの期間が長いため、症状は重いでしょう。
3月後半はナタネ梅雨があると、飛散数が一時的に減少し、症状が軽くなるが、油断すると3月下旬から4月上旬のヒノキ科花粉とスギ花粉の合わさったやや大きなピークがあるので注意が必要です。
花粉量が多いと予測した年は飛散が始まると短い期間で本格飛散(20個以上/cm2)となるため、早めに予防対策が必要です。

2008年春の花粉飛散数は・・・2000〜3500個

図1は 夏の最高気温と日射量からの予測で、これですと2000個以内のやや少ない予測となります。

図2は10月から 12月に捕集されたスギ花粉数で年内飛散数と呼ん でいます。

年内飛散数と翌年の総飛散の相関は気象データ(図1)と翌年の総飛散 数より相関は良好と言えますが、5000個は多すぎると思いますので、この2通りの予測から、低いほうの上限と高い方の7割程度(3500)の間をとって、今年の船橋の飛散予測は2000〜3500個とします。

昨年までは2000〜3000と予想しましたが、ヒノキの花芽が予想外に多いので500上乗せしました。

図1 船橋市における25年間のスギ・ヒノキ科花粉飛散変動と前年夏の平均最高気温と平均日射量との相関からの総飛散の予測

予測 2 船橋市における10年間のスギ花粉年内飛散数と翌年春の総飛散数との相関から今年の総飛散数の予測

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