第1回ハーブ・アロマテラピーフォーラム

開催にあたって

 

 西洋医学で用いられているほとんどの合成医薬品は植物をルーツにしたものですが、現在、ヨーロッパではハーブやアロマテラピーが植物療法として盛んに行われています。

 東邦大学薬学部では薬草園に、ハーブを中心としたmedocinal herb garden を併設し教育・研究に用いています。学生実習でも漢方と共にアロマテラピーを取り上げて実習していますが学生の反応も好評のようです。

 4年前にスタートした漢方フォーラムにつづき、今回は「統合医療における植物療法」をテーマにして第1回ハーブ・アロマテラピーフォーラムを開催致しました。この分野は日本の高齢社会における医療の一端を担う、また薬学部出身者の活躍できる領域の一つとして発展して行くものと期待しております。

開催

プログラム(敬称略)

日本のアロマテラピーの現状

鳥居 鎮夫
(東邦大学医学部名誉教授・日本アロマテラピー協会会長)

日本のアロマテラピーの現状とこれまでの経緯、英国、仏国をはじめとする各国における医学的な利用について。香りの与える刺激と影響について、脳の具体的な部位を示しながら解説。また、文化的背景や個人差を踏まえた、香りの心理的な効果について研究データを紹介。
我が国における統合医療の現状と今後の展望

山本 竜隆
(統合医療ビレッジグループ総院長)

統合医療のありかた、西洋医学との連携の重要性について具体的な事例をもとに解説。一般薬と漢方薬の効果の表れ方の違い、西洋医療と代替医療の病気へのアプローチの違いを上げ、患者の状態や症状によって両者を融合させ、効果を上げる統合医療の必要性・重要性について講演。
統合医療における植物療法の役割

林 真一郎(グリーンフラスコ 薬剤師)

植物療法の実際と統合医療における植物療法の役割について解説。植物療法の新たな視点として芳香療法、食事療法といった食品の3次機能について。具体的な植物をあげ家庭でできる植物療法を紹介。植物療法が貢献できること、普及のためのポイント、薬剤師や薬学関係者の果たすべき職能を提示した。
統合医療における薬剤師の役割
その1 -統合医療クリニックの現場から-

酒井 美佐子(統合医療ビレッジ 薬剤師)

海外の統合医療について、ハーブやサプリメントの利用法を含め写真とともに報告。また、統合医療ビレッジでの経験をもとに、代替医療、サプリメントの効果的な使用例を紹介。統合医療はテーラーメイド医療であり、患者一人一人にあった医療が重要、また西洋医療あっての統合医療であると説いた。
その2 -調剤専門薬局の現場から-

塚本 麻美(アポプラスステーション 薬剤師)

調剤専門薬局の現場から、統合医療における薬剤師の役割について報告。医師の処方に関わらない範疇での植物療法利用のアドバイスや、生活の中に取り入れるハーブ・アロマテラピーを紹介する上での注意点、従事者としての課題について紹介した。
薬学部における植物療法の教育カリキュラム

村上 志緒(東邦大学薬学部生薬学教室)

東邦大学での植物療法の教育カリキュラムについて紹介。東邦大学での植物療法への新たな取り組みとしてメディシナルハーブガーデンの開設と利用、学生・社会人を対象としたハーブやアロマテラピーを取り入れた植物療法の教育の実践について具体的な事例を紹介した。
統合討論 -植物療法の課題と展望-

※パネルディスカッションは中止になりました。

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