東邦大学 研究データ公開支援サイト
このサイトは,東邦大学の構成員が作成した研究データの公開を支援するサイトです。
1. 本学構成員と大学の責務について
「東邦大学研究データ管理ポリシー」(令和5年7月1日制定,大学規約 大学-628)により,本学構成員には学内外の法令や規程等を遵守し研究データを適切に保存・管理し利活用の促進に努める責務が,大学には研究データの保存・管理及び利活用の促進を支援する環境の整備を推進する責務があることが明記されています。
そのため,研究者も大学も一丸となって研究データ管理を行う必要があります。
2. 公開が求められる研究データと本学リポジトリの位置づけ
学内的な研究データ管理の必要性は"本学構成員と大学の責務について"に記載の通りですが,それとは別の理由で研究データの管理・公開を求められる場合があります。
内閣府『第6期科学技術・イノベーション基本計画』(令和3年3月26日閣議決定)では,公的資金により得られた研究データの管理・利活用の推進により,オープンサイエンスとデータ駆動型研究を推進することが示されています。
統合イノベーション戦略推進会議『公的資金による研究データの管理・利活用に関する基本的な考え方』(令和3年4月27日)ではより具体的に,「公的資金による論文のエビデンスとしての研究データは原則公開」とする考え方も示されました。
また,内閣府の科学技術・イノベーション推進事務局『「学術論文等の即時オープンアクセスの実現に向けた基本方針」の実施にあたっての具体的方策』(令和6年2月,同10月改正)では,公的資金のうち令和7年度から新たに公募を行う「即時オープンアクセスの対象となる競争的研究費(※)」の受給者に対して,「査読付き学術論文」及び「論文の根拠データ」を,学術雑誌への掲載後,即時に機関リポジトリ等の情報基盤に掲載することでオープンとすることが義務付けられました(=即時オープンアクセス義務化)。
※即時オープンアクセスの対象となる競争的研究費制度は以下の通りです。(2025年3月21日現在)
No. | 府省名 | 資金配分機関 | 制度名 |
---|---|---|---|
1 | 文部科学省 | 日本学術振興会 | 科学研究費助成事業 |
2 | 文部科学省 | 科学技術振興機構 | 戦略的創造研究推進事業 |
3 | 文部科学省 | 日本医療研究開発機構 | 戦略的創造研究推進事業 (革新的先端研究開発支援事業) |
4 | 文部科学省 | 科学技術振興機構 | 創発的研究支援事業 |
3. 本学リポジトリへの根拠データ登録(公開)申請
本学リポジトリで根拠データを公開する場合の申請手順を以下に記載しました。
- ①根拠データと②それに対応する論文の著者最終稿(最終査読後にアクセプトされたPDF file)をまとめてzipファイルとして圧縮し,提出日付と申請者氏名(例:20250313_ 東邦太郎.zip)にリネームします。 ※根拠データに紐づく論文の確認に使用しますので著者最終稿もご提出ください。
-
申請用のGoogleフォームに東邦大学のGoogleアカウントでログインしてください。
-
申請者氏名(=根拠データを用いた論文の筆頭著者または責任著者名)・職員番号・根拠データ一式の名称等を入力し,フォームを送信してください。
また,フォーム内にファイル提出用のURL(Boxのアップロードリンク)が表示されるので,作成したzipファイルもリンク先より送信してください。 - 内容を確認し,本学リポジトリで公開が完了したら公開URLと公開日をお知らせいたします。
東邦大学学術リポジトリの研究データ登録事例
4. よくある質問
研究データ公開の必要性に関するご質問
自分の発表した論文に紐づく根拠データを公開しなければならないか教えてほしい。
少なくとも令和7年4月時点で,根拠データの公開を求められているのは,「日本学術振興会の科研費で令和6年度以降に実施した研究課題」の場合のみです。
それ以外の場合でも,東邦大学では研究データ管理の観点から,全ての公的研究費(AMEDやNEDOなども)を用いて作成・公表された論文の根拠データを機関リポジトリに登録し,公開することを求めています。ご不明な場合は,本ページ最下部のお問い合わせ先までご連絡ください。
即時オープンアクセス義務化は令和8年からではないのか?研究データの公開が必要なのか?
日本学術振興会は「令和7年度における制度改正事項について」の中で,科研費で研究を行う研究者に対して,以下の(1)(2)を求めています。
(1)令和6年度(2024年度)以降に実施した研究課題の実績報告書に,「論文根拠データのメタデータ情報」(データ公開先のDOI・URLを含む)を入力すること。
(2)令和7年(2025年)4月以降の公募分から,「学術論文」及び「根拠データ」を学術雑誌掲載後,即時に機関リポジトリ等の情報基盤へ掲載し,実績報告書にて対応の有無を報告すること。
即時オープンアクセス義務化は(2)の内容になりますが,(1)によれば令和6年度以降に実施した研究課題については,論文根拠データの公開およびメタデータ情報の提出が必要になります。
ただし,本学では社会的要請や「東邦大学オープンアクセスポリシー」に鑑み,公的研究費を用いて作成・公表された論文(臨床データを含まない論文)とその根拠データの機関リポジトリへの登録・公開を,日本学術振興会のスケジュールに先行して,令和7年度より実施します(2025年6月1日より対応予定)。
用語の定義に関するご質問
「論文の根拠データ」とは何を指しますか?
内閣府が作成した「学術論文等の即時オープンアクセスの実現に向けた基本方針」の実施にあたっての具体的方策について(PDF)の8ページ目によれば,「掲載電子ジャーナルの執筆要領,出版規定等において,透明性や再現性確保の観点から必要とされ,公表が求められる掲載学術論文の根拠データ」を指し,「Supplemental Data等(※)の公表を前提としているデータであり,査読の過程で求められるデータ等公表を前提としていないデータは含まない」としています。
※一般的な理解として,「Supplemental Data等」は,論文と同時に公開されるSupplemental FiguresやTablesのことではなく,論文の図や表を作成するために用いたSupporting InformationやSource Dataと考えられます。そのため,本学としては論文の図表作成の元となるCSV形式やExcel形式のraw data,加工前の画像ファイルなどを根拠データとして想定しています。
本学の登録例もご参照ください。
「論文の著者最終稿」とは何を指しますか?
論文の査読が終了し,最終的にアクセプトされたFiguresやTablesを含むPDFで,出版社によるレイアウト調整が施される前のものです。著者最終稿の例としては,こちらもご参照ください(出版社が校正したPDFやオンラインに掲載された出版社版のPDFではありません。これらは著作権の都合で,ゴールドオープンアクセスでない限り,基本的に機関リポジトリで公開することはできません)。
申請に関するご質問
論文根拠データの登録申請は,誰が実施すればよいか?
基本的には論文の筆頭著者あるいは責任著者が申請してください。
学生が論文の責任著者の場合は,誰がリポジトリへの登録申請をするべきか?
基本的には指導教員の先生がご申請ください。責任著者の学生が卒業・修了している場合も,指導教員の先生がご申請ください。
登録申請フォームへのアクセス権がなく,申請ができない。どうしたらよいか?
本ページ下部の「お問い合わせ」より,メディアセンター電子情報部門までメールでお問い合わせください。
東邦大学学術リポジトリに関するご質問
東邦大学学術リポジトリに登録できるファイルのサイズ上限は?
1ファイル(2025-4-22修正)1論文あたり10MBを上限とします。10MB以上の大きなデータ(動画ファイルなど)は,リポジトリ容量の都合,登録の受付ができません。
これより大きいデータの登録をご希望の場合は,申請フォームの通信欄よりご相談ください。
東邦大学学術リポジトリで公開すると誰が閲覧できるのか。また,どこからアクセスされているかわかるのか。
原則として,東邦大学学術リポジトリで公開するとインターネット上の誰でも閲覧可能となります。
公開ウェブページURL内の,viewsの[See details]をクリックすると,アクセスしてきた国がわかります。
ケーススタディ
すでに外部のリポジトリに論文根拠データを登録しているが,この場合でも東邦大学学術リポジトリへの登録が必要か?
重複して登録する必要はありません。助成機関への報告書には,登録済みのリポジトリのDOIやURLを記載してください。(「データ管理情報」欄には東邦大学メディアセンターの情報を記載)
すでに論文の「Supporting Information」として,出版社ページに論文根拠データを登録している。この場合でも東邦大学学術リポジトリへの登録が必要か?
出版社ページ上で公開されている場合は,重複して登録する必要はありません。 助成機関への報告書には,当該出版社ページのURLを記載してください。(「データ管理情報」欄には東邦大学メディアセンターの情報を記載)
出版社ページ上で公開されていない場合や,「Supporting Information」以外の論文根拠データが存在する場合は,東邦大学学術リポジトリなどで公開が必要です。
助成機関の研究報告書に記載した論文がまだオンラインで掲載されていない(in press)場合には,報告書の「根拠データ欄」はどう記載すれば良いか?
根拠データをオンラインで公開していない場合には,科研費の報告書のURLとDOIは「なし」をチェックしてください。この場合には機関リポジトリに現時点では登録する必要はありませんが,論文がオンラインで公開されたら,根拠データを機関リポジトリに登録してください。一方で,すでに外部リポジトリ等で根拠データを前もって公開している場合には,そのURLやDOIなどを報告書にご記載ください。
研究課題の研究代表者あるいは分担研究者が,共同研究で行った論文で,かつ筆頭著者でも責任著者でもない論文の根拠データの登録は必要か?
実績報告書に論文を記載する場合には,海外の研究者との共同研究も含めて,可能な限り根拠データを研究代表者が登録する必要があります。
研究課題に分担研究者がいる場合に,分担研究者の論文を業績として報告書に記載する場合には,誰が論文根拠データを登録するのか?
研究代表者が根拠データを登録します。 分担研究者が既に所属機関のリポジトリに根拠データを登録している場合には,そのURLやDOIを報告書にご記載ください。重複して登録する必要はありません。
他機関へ転出した(または退職した)が,東邦大学在籍時に発表した論文に紐づく根拠データについて,東邦大学学術リポジトリへの登録が必要か?
令和6年度以降に,科研費によって発表された論文の根拠データであればご登録ください。なお,臨床研究は根拠データ公開の対象外ですので,ご留意ください。
他機関から転入してきたが,前機関に在籍時に発表した論文に紐づく根拠データについて,東邦大学学術リポジトリへの登録が可能か?
「東邦大学学術リポジトリ運用規則」の第2条一号より,東邦大学での教育・研究活動による成果物以外は,原則として本学リポジトリ上での公開はできません。前機関のリポジトリや汎用リポジトリの活用をご検討ください。
科研費による論文で,令和6年度より前に発表したものについても,根拠データの登録および報告が必要か?
令和6年度以降に発表した論文が対象となります。過年度分を遡って登録・報告する必要はありません。(参考:「令和7年1月28日 科研費説明会FAQ」Q17)
その他のご質問
本件にGakuNin RDMはどのように関わるのか?
令和7年4月1日現在,研究データ管理システムである『GakuNin RDM』への登録は必須としておりません。 ただし,個人的に『GakuNin RDM』を活用いただくことは可能です。現在開発中のJAIRO Cloudとの連携機能がリリースされた場合は運用を見直す可能性があります。
研究データの管理上,非公開としているデータもメディアセンターに提出するのか?
非公開の研究データをリポジトリに登録する必要はないため,提出不要です。
臨床データ(個人に紐づいた臨床情報など)については,どのように対応するか。患者からの同意書が現状では不十分な可能性があるがどうしたら良いか。
リポジトリでの登録・公開は行いません。
ただし,東邦大学では研究データ管理を行う必要があるため,臨床データはGakuNin RDM上に登録する(ただし,データは非公開となる)予定です。
登録するファイルは、読み取り専用などの改変できないような制限をかけた方が良いか。
日本学術振興会によれば、「政府方針・JSPS方針として明確な取扱は決まっていないものの、研究データの利活用の意義に則り、編集可能なファイルについてはそのままの形式で公開することが好ましい」とのことです。
5. 過去のセミナー(学内限定)
6. 関連情報
- 東邦大学学術リポジトリ
- 東邦大学研究データ管理ポリシー(大学規約,634ページ)【学内またはネットワーク認証で閲覧可能】
-
東邦大学コンプライアンス(研究倫理)教育プログラム > 規範・規程等 >
東邦大学研究者行動規範ならびに東邦大学における研究活動に関する規程等について(アクセス確認日2025.2.25) - 独立行政法人日本学術振興会研究事業部 令和7年度における制度改正事項について(PDF)
- 研究データのライセンスについての考え方(本学作成)
お問い合わせ
研究データの登録に関すること
メディアセンター電子情報部門
E-Mail:rdmsupport☆ml.toho-u.jp ※「☆」記号を「@」に置き換えて下さい。
大森キャンパス・各病院担当 柴田,渡辺(内線:2477,2445)
習志野キャンパス担当 江幡,黛,吉田(内線:5202)
研究費に関すること
学事統括部 研究支援課
E-Mail:hojyokin☆jim.toho-u.ac.jp ※「☆」記号を「@」に置き換えて下さい。
TEL:03-3762-4151 (内線 2125・2186)