文 : 習志野メディアセンターSTAFF
19世紀〜20世紀は科学の世紀だという人がいます。
それまで未知であった多くの事柄が科学的に説明され、既知のものとなりました。
科学的な思考の啓蒙がなされ、科学は普遍的なものとなりました。
意識するとしないとに関わらず人間の生活は科学に大きく依存しています。
現代を生きる我々にとって科学とはこの世界の前提であり、わざわざ掘り返してその意味や定義を問う機会はそう多くありません。
ですが、いまここで敢えて考えてみたいと思います。 科学とはなんでしょうか?
科学とは何かを考えるには様々なレベル、様々な切り口があると思います。 今回ご紹介した本が皆さんの科学の考察の一助になれば幸いです。
以下の4部構成でお送りいたします
展示期間中も通常通り貸出が可能です。もし、読んでみたいと思った本が貸出中であれば、お気軽に予約をしてください。
予約方法についてはこちらをご覧ください。 貸出中資料の予約
※展示コーナーにはWebサイトで紹介されていない本もご用意しています。
さっそくですが、科学とは何でしょうか?科学ってそんなに確かなものでしょうか? ファインマンは言います。不確かな予測と不確かな実験に基づく不確かな結論の集大成が科学なのだ、と。 同時に彼は、科学が不確かでそこに疑う自由があることが重要なのだ、とも説いています。
私たちが科学とか科学的とか呼んでいるものの正体はなんなのでしょう。 疑いなく受け入れてきた「科学」というものについて、まずは疑ってみるところから始めてみましょう。
現代に生きる私たちは、自分たちが充分に「科学的な思考」ができ、科学的なものと非科学的なものを区別できる、と、思い込んで日々をすごしてはいないでしょうか? しかし科学を標榜する非科学的な事物というのは、時に実にたくみにカモフラージュを施されていることがあります。 貴方が科学的に正しいと信じていること、本当にそれは科学的に正しいのでしょうか?
似非科学やとんでも科学の事例や見抜き方を紹介するこれらの本は、科学的思考とは何か、ということを貴方に教えてくれることでしょう。
近年メディアへの露出が多く、広くその名を知られている茂木健一郎さんですが、彼がまだそれほど有名ではなかった頃の本もご紹介してあります。 ノーベル賞受賞の科学者だろうと誰だろうと、その研究に怪しいと感じる点があればずばっと切り込みます。 テレビとは違う彼の新たな一面に触れることができるかもしれません。 (クオリアについても触れています。)
東京 : 草思社 / -
【請求記号】404/Eh 1000559359 【配架場所】2階
東京 : 光文社 / 2004.8
【請求記号】404/Ga 1000424380 【配架場所】2階
東京 : 草思社 /2004.2
【請求記号】404/Eh 1000406338 【配架場所】2階
京都 : 化学同人 / 1995.12
【請求記号】404/Hi/2 1000012409 【配架場所】2階
科学と宗教は共存できない、そう考える人は多いようです。 でもはたして科学は宗教を、宗教は科学を否定しあうものなのでしょうか? 信仰心に厚い科学者はいくらでもいますし、最新の科学知識を説法に取り入れる宗教家もまた数多くいます。
かのアインシュタインは次のような言葉を残しています。 「Science without religion is lame, religion without science is blind」彼は科学も宗教も単独では不完全だと考えていたようです。 科学と宗教のあるべき関係は?科学にとって宗教とは?宗教にとって科学とは? 科学と神や宗教、心霊現象との関係に言及した本を紹介いたします。 霊に憑かれた科学者たちの物語・・・今夜は眠れそうにありません(霊的な意味で)
東京 : 徳間書店 / 1997.5
【請求記号】404/Jo 1000077758 【配架場所】2階
東京 : 講談社 / 2001.1
【請求記号】ブルー400/Po 1000218451 【配架場所】2階閲覧室
東京 : 日経BP出版センター / 2007.10
【請求記号】467.5/Go 1000542835 【配架場所】2階
今も昔もSF作品は人々の心を捕らえて離しません。 日本のSFの代表的作品と言えば、ドラえもんでしょう。 たとえそれが現実にはありえないと分かっていても、あれらの道具を見てわくわくする気持ちは変わりません。 真偽の差を飛び越えて、SFは私たちを楽しませてくれます。 Fictionだなんて堅いことを言わず、SFは「すこし、ふしぎ」のことだよ、と、言ったのは故藤子F不二夫その人です。
この章では、そんなSF世界の科学と現実の世界の科学とに焦点を当てて本を紹介したいと思います。 そもそもSFって本当にフィクションなのでしょうか?100年前の人から見れば今の私たちの生活だってフィクションみたいに見えているかもしれません。 「できない、ありえない」ではなく、「できるかもしれない、ありえるかもしれない」そんなSF的思考法を学んでみませんか?
また、現時点では未解決の科学の問題を提示した本もご用意しました。 ここに描かれていることはSFでしょうか?それとも科学的に解決可能な問題なのでしょうか? 解決するのは、あなたかもしれません。
ところで、メディアセンターの3階にはSFの本が意外とたくさん置いてあるのです。 ご存じない方、是非一度手にとってその摩訶不思議、いやいや、すこしふしぎな世界に触れて見てください!
東京 : 講談社 / 1999.1
【請求記号】ブルー400/Tr 1000129138 【配架場所】2階閲覧室
東京 : 講談社 / 1980.8
【請求記号】ブルー400/Ku 0000563486 【配架場所】2階閲覧室
東京 : 日本放送出版協会 / 2008.1
【請求記号】400/Ka 1000594901 【配架場所】2階
東京 : 講談社 / 1989.11
【請求記号】ブルー420/Fo 0001156280 【配架場所】2階閲覧室
「ルイセンコ論争」
さて、ここまでご紹介した本を読んでくださった方なら、これらの本のところどころにこんな名前がでてきたことを覚えていませんか?
トロフィム・ルイセンコ。20世紀のロシアの生物学者。
彼の学説は政治に利用され悲しい結果をもたらします。
政治が科学を、真実を曲げてしまった、そんなお話です。
背筋が寒くなるような(霊・・ではなく・・ロシア的な意味で。)
この話を通して、科学を扱う社会のあり方に触れてみましょう。
最後に一冊の本をご紹介いたします。
「科学の扉をノックする」
なんだか小難しい話ばかりで少しお疲れになった貴方にこの本をお勧めします。
科学がどうの非科学がどうの、といろいろ議論をこねくりまわしたところでなにか大切なことを忘れていませんか?
空の星々や、足元の大地、極小の生物や、人間の体そのもの、それらのなぞに触れて心をときめかせ、そのなぞに取り組んで心を輝かす。科学の原点はそこではないでしょうか。
正しいとか間違っているとか、役に立つとか役に立たないとか、そんな議論はここでは一旦おいておいて、ただ単純に、自然界の神秘とそれに真剣に取り組む人間の姿を楽しみましょう。
科学は楽しい、わくわくするよ、というその原初的な喜びを教えてくれる本です。